HACCP/FSMSに準拠した食品工場向け清掃業務

エクシートでは、以下のような清掃業務をおこなっています。

・部品工具類の清掃
・厨房・フード関係の清掃
・ダクト清掃
・排気ファン清掃
・空調フィルター清掃とオーバーホール
・エアコン保守・点検・洗浄
・水回り清掃
・床清掃
・グリストラップ清掃
・配管洗浄

上記のほか、ご要望に合わせた清掃業務に対応可能です。ぜひ一度、エクシートまでご相談ください。

ダクト清掃 HACCP・FSMS対応
食品向け清掃

食品工場の衛生管理は、消費者の食の安全を守るために欠かせません。食品の製造・加工における衛生管理の指針となるのがHACCPやFSMSです。特にHACCPによる衛生管理は、2021年から義務化されたことで関心が高まっています。今回はHACCPとFSMSの基本情報を説明し、これらの基準に沿った清掃をおこなう方法を解説します。

HACCPの概要

HACCP(ハサップ)は食品衛生管理に有効な手法として、国際的に認知されています。工程の細分化と可視化をおこない、リスク管理をするのがHACCPの基本的な考え方です。ここでは、HACCPの基本情報を説明します。

HACCPとは

HACCPとは、食の安全を確保するための衛生管理手法です。「Hazard Analysis and Critical Control Point」の頭文字をとったもので、「危害要因分析重要管理点」という訳語があてられます。

・Hazard Analysis:危害要因の分析

原料の受入れから製造、出荷といった工程の中で発生しうる、微生物や異物の混入、食品の変質のような生物的・物理的・化学的な危害要因をあらかじめ分析すること。

・Critical Control Point:重要管理点

工程のどの段階でどのような危害要因が生じるかの分析を踏まえ、危害発生への対策をおこなうために設定された管理工程のこと。

簡潔に説明し直せば、製造工程における食品汚染のリスクについて予測・分析し、対策・管理をおこなって記録をとるのが、HACCPの趣旨にかなった衛生管理手法だといえます。

HACCPに沿った衛生管理手法をとることで、次のような効果も期待できます。

・衛生管理に対する従業員の意識向上

・適切な衛生管理体制をとっていることをアピール

・食品汚染や事故の減少・回避

・トラブル発生時の検証や事後対応の迅速化

HACCP導入の7原則12手順

HACCPへの取り組みは、以下の7原則12手順に沿って進めます。この7原則12手順は、Codex(国際食品規格)委員会が1993年に策定したものです。手順1〜5は、原則1〜7を進めるための準備になります。また、原則1〜7では、危害要因分析とHACCPプランを具体的に作成することが必要です。

 

手順1 HACCPのチーム編成
手順2 製品説明書の作成
手順3 意図する用途及び対象となる消費者の確認
手順4 製造工程一覧図の作成
手順5 製造工程一覧図の現場確認
手順6(原則1) 危害要因分析の実施(ハザード/HA)
手順7(原則2) 重要管理点(CCP)の決定
手順8(原則3) 管理基準(CL)の設定
手順9(原則4) モニタリング方法の設定
手順10(原則5) 改善措置の設定
手順11(原則6) 検証方法の設定
手順12(原則7) 記録と保存方法の設定

HACCPの義務化

現在、食品を扱う事業者のほとんどにHACCPの義務化がなされています。ここでは、義務化の経緯と対象範囲について解説します。

・HACCP義務化の経緯

2018年(平成30年)に「改正食品衛生法案(食品衛生法等の一部改正)」が衆議院で可決されました。これを受け、2020年(令和2年)の6月に改正食品衛生法が施行される運びとなりましたが、1年間の猶予措置がとられます。原則として、2021年(令和3年)6月からすべての食品等事業者に、HACCPに沿った衛生管理の導入が義務付けられました。

・HACCP義務化の対象範囲

 「HACCPに基づく衛生管理」の対象事業者は、「大規模事業者」「と畜場」「食鳥処理場」です。HACCPの7原則に基づき、事業者が原材料や製造方法などに合わせた計画の作成と衛生管理の実施をおこないます。

 「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」では、「食品を製造・加工して小売販売する営業者」「飲食店営業や喫茶店営業を行う者」「その他の食品を調理する営業者」などの小規模な営業者が対象です。学校や病院のような営業以外の集団給食機能を持つ施設も含まれます。各業界団体が作成する手引書を参考にして、簡易的ではありますがHACCPの考え方に沿った衛生管理を実施しなければなりません。

HACCP認証

HACCP認証機関は以下の3つに大別できます。

・地方自治体によるHACCP認定:都道府県の自主衛生管理認証制度

・業界団体によるHACCP認定:特定の業界における協会・団体からの認定

・民間団体によるHACCP認定:ISOやFSSCの国際規格など

HACCPに沿った衛生管理を実施する上でHACCP認証は必須ではありませんが、衛生管理意識の向上や、リスク管理手法の改善、社外へのアピールとして有効です。世界的にはHACCPを義務化している国も多く、国際標準の品質管理を目指すなら認証を取得すべきかもしれません。

FSMSの概要

食品の安全衛生を図るための管理システムを「FSMS」といいます。従業員レベルではなく、組織レベルでの衛生管理を図るのがFSMSのねらいです。以下、FSMSについての基本情報を説明します。

FSMSとは

FSMSとは「Food Safety Management System」の略称で、日本語では「食品安全マネジメントシステム」と呼ばれます。簡単にいえば「食品の安全を維持するための管理システム」のことです。FSMSでは、消費者に安心・安全な食品を届けられるよう、危害リスクを管理するための仕組みづくりを目指しています。

FSMSの代表的な認証規格

FSMSの代表的な認証規格として、「ISO 22000」と「FSSC 22000」があります。

・ISO 22000

ISO(国際標準化機構)が定める、安全な食品を製造する仕組みづくりの方法が記載されたもので、世界的に認められた食品安全規格です。ISO 9001とHACCPを基盤にして開発されました。

ISO 22000は、以下の4つの要素を含んでいます。

1)相互コミュニケーション(従事者が連絡を取り合う)

2)FSMS(食品安全マネジメントシステム:仕組みによって保証する)

3)OPRP(オペレーション前提条件プログラム:安全衛生条件の基本条件と活動を組み合わせる)

4)HACCP(7原則12手順の手法で食の安全を確保する)

・FSSC 22000

「Food Safety System Certification 22000」の略称で、FSSC 22000財団によって開発された規格です。「ISO22000」「PRP(前提条件プログラム)」「追加要求事項」の3要素で構成されています。FSSC 22000はISO 22000の上位互換として位置づけられる規格であり、食品安全への取り組みをより強力に推進する仕組みです。

※PRP:詳細な一般衛生管理の要求事項として加えられる要素。具体的には「PAS 220またはISO/TS22002-1」または「PAS 223」が該当する。

FSMSの認証を取得するメリット

ISO22000とFSSC22000は、食品製造・加工業者だけでなくフードチェーン全体の業種が対象となる食品安全規格です。農業や漁業などの第1次産業から流通・販売に携わる第3次産業まで幅広く適用されます。消費者に食品が届けられる経路が複雑化した現代において、FSMSが食の安全を守る重要な役目を果たしているといえるでしょう。

FSMSの認証取得によって、具体的には次のようなメリットが期待できます。

・食品提供における危害リスクの低減

・法令順守と企業価値の向上

・消費者からの信頼獲得

・組織の意識向上と業務効率化

・工程の可視化と業務承継の円滑化

・海外企業との取引要件の達成

HACCP・FSMSの基準に沿った清掃をおこなうには?

食品工場における一般衛生管理では「5S」が重視されています。5Sとは「整理・整頓・清掃・清潔・習慣化」という5つの行動を指します。HACCP・FSMSの基準を満たす上でも5Sの取り組みは大切です。ここでは、清掃と清潔にスポットを当てて、どのような取り組みをおこなうべきか解説します。

危害要因を発生させる箇所の清掃を徹底する

HACCPの項で説明したように、「Hazard Analysis:危害要因の分析」をおこなうことが重要です。食品工場では不衛生になりやすい箇所を把握して清掃を徹底し、常に清潔な状態を保っておかなければなりません。空調、換気扇、ダクト、配管などは特に注意が必要です。汚れやサビ、あるいはカビや細菌の発生がないように定期的な清掃・点検をおこないます。器材や設備の清掃と消毒を「Critical Control Point:重要管理点」に設定することも有効でしょう。

HACCP・FSMSを理解した清掃業者に依頼する

大がかりな清掃をおこなう場合には、清掃器具の用意や人員の確保が必要になります。従業員に知識やスキルが乏しいと、清掃が十分におこなわれずにトラブル発生の要因ともなりえます。HACCPあるいはFSMSの基準を満たした清掃を確実におこないたいときは、HACCP・FSMSをよく理解した清掃業者に依頼しましょう。エクシートならHACCPやFSMSの基準に沿った食品工場の清掃に対応できます。